@article{oai:bunkyo.repo.nii.ac.jp:00001068, author = {李, 仁揆}, issue = {1}, journal = {文学部紀要, Bulletin of the Faculty of Language and Literature}, month = {1997-10-01, 2011-02-14}, note = {文、節、または述語のあらわす内容を、話し手が一定の態度によって現実と関係づけるそのありかたをモダリティという。条件節が、その内容を仮定的なものとしてさしだすか、それとも現実的なものとしてさしだすかなどということは、モーダルな側面である。従って、条件節をモーダルな側面からみると、①既定の条件をさしだすもの②仮定的な条件をさしだすもの③予定的な条件をさしだすもの④反現実の仮定的な条件をさしだすもの⑤一般的な条件をさしだすものと、五つにわけることができる。本稿は、③予定的な条件をさしだすものについて考察したものである。本稿でこれを考察の対象とした理由は、条件文を考える時に、ふつう、「既定の条件をさしだすもの」「仮定的な条件をさしだすもの」「一般的な条件をさしだすもの」の三つをおおまかに考える傾向があるためである。つまり、「予定的な条件をさしだすもの」を、「仮定的な条件をさしだすもの」と区別しないで一緒にして考えてしまうということである。この2つは、それぞれ条件節のモーダルな側面からみた場合、たしかにちがう性質を持っており、したがって「と」「ば」「たら」の使用においても、その所在が、「仮定的な条件をさしだすもの」の場合とはちがうのである。 「予定的な条件をさしだすもの」に属する文において、ト、バ、タラの三つの語形が、どのように使われているのかを調べる時に、その決め手となるものは後件(帰結節)にくる文のタイプ(モダリティという観点から)である。従って,後件をモーダルな側面から,「判断文」「決意文」「勧誘文」「依頼文」「命令文」に分類してそれぞれの文に三つの語形(ト・バ・タラ)がどのように使われているのかを調べてみた。その結果は次のようである。 「予定的な条件をさしだすもの」を、「仮定的な条件をさしだすもの」と区別して考えなければならない重要な点は、すなわち、「予定的な条件をさしだすもの」に属する文というのは、一定時間後にはかならず成立するいう予定性を持っていること、したがって前件には、「仮定」の意味はなく、「完了」の意味だけが働いているということである。 従来の研究では、このことに注意しないで取り扱っているため、「条件文」の説明に混乱が生じ、学習者にとっても理解しにくいものとなっているわけである。 「予定的な条件をさしだすもの」に属する文の場合には、「決意文」「勧誘文」「依頼文」「命令文」に、ト・バの使用はできない。「判断文」においてのみ、ト・バの使用が可能となるが、トの方は、もっと制限があって、根拠のある客観的な判断である文の場合にのみ、使用できるのである。すなわち、トは、「判断文」のなかでも根拠のある客観的な判断である文の場合に、バは「判断文」に、タラは、その使用においての制限がなく、全般的に用いられている。}, pages = {36--50}, title = {予定的な条件をさしだす場合における「と」「ば」「たら」の用法}, volume = {11}, year = {} }