@article{oai:bunkyo.repo.nii.ac.jp:00000428, author = {宮武, 利江}, issue = {2}, journal = {文学部紀要, Bulletin of The Faculty of Language and Literature}, month = {2009-03-01, 2009-12-08}, note = {『源氏物語』における「うちとく」の語義は「外部に対する構えを解く」ということが中心であると考える。ここから派生するさまざまな用法は、気を許してくつろいでいる状態と、人に心を許すという状態の二つに大別できる。前者は当然一人でいるときに現れやすく、その場合は特にマイナスではないが、人前で「うちとけ」た姿を見せることがプラス評価されるのは源氏ぐらいである。後者は原則的に上下関係の下の側の行為であり、自分を相手にさらけ出す、という含意があるとも考えられる。そのため、子どもや年若い女性が「うちとくる」主体になりやすく、うちとけられた方からは相手が「かわいい」と感じられ、プラス評価を与えられ得る。ただし、ある程度以上の階層に属する女性であれば、簡単に「うちとくる」ことは常識に反する。「うちとけ」たように見えても、「すきがある」とは感じさせない品格があり、うちとけきらないことが、上流の女性として最高級の評価を受けるためには必要である。 「うちとく」があらわす状態や行為は、高貴な身分の女性にはあまりふさわしくないものと解釈でき、さらには「うちとく」という動詞が、登場人物の人物造形にも大きく関与していると考えられる。}, pages = {202--184}, title = {「うちとくる」女性の非貴族性 : 『源氏物語』の用例から}, volume = {22}, year = {} }