@article{oai:bunkyo.repo.nii.ac.jp:00007973, author = {船山, 智代 and フナヤマ, トモヨ and Funayama, Tomoyo and 長山, 拓海 and 当麻, 由惟}, journal = {教育学部紀要, Annual Report of The Faculty of Education}, month = {2021-12-20, 2022-06-02}, note = {筆者の船山は,2016年度の教育学部紀要において,ディープ・アクティブラーニングの観点から,化学の基本概念の深い理解には,「内的活動の高さ」と共に「化学の原理の知識化(原理を身についた知識として修得させること)」が必要と結論した.そして今後の課題は「内的活動を高める因子」と「化学の原理の知識化に必要な要因」を明らかにすることと報告した. そこで本研究は,学生の化学の基本概念の深い理解(深化)を促す「化学の原理の知識化に必要な要因」を明らかにし,要因を踏まえて化学実験教材を作成することを目的として行った.対象は,本学化学研究室の卒業研究生とした.実験は,化学変化の一つである「溶解」をテーマに,マクロな世界のエネルギーである「溶解熱」を,熱力学の第一法則を介してエネルギー値を軸とし,ミクロな世界の水和に関わるパラメータである「溶解エンタルピーΔH_soln」「水和エンタルピーΔH_aq」「水和数」と結びつけることを試みた.金属イオン結晶の溶解熱測定の結果から算出したΔH_solnを用いて,陽イオン半径r⁺とΔH_solnの間の正の相関,r⁺とΔH_aqの間の正の相関,r⁺と水和数の間の負の相関を見出し,イオン−双極子相互作用が強くなると水和しやすいことを示した.また,第5,6周期の陽イオン,つまり最外殻が4p,5p軌道であるイオンの水和は,r⁺や電荷だけでは説明できず,水分子の軌道と陽イオンの最外殻軌道の軌道間相互作用の影響を考慮する必要があることが示唆された. 卒業論文の論述から,学生の化学の基本概念の深化には,①周期表に基づく系統立てた物質の選択,②マクロな世界とミクロな世界を結びつける実験系の構築,③概念モデル,の3つの要素を含む教材が有用であり,これらは化学の原理の知識化に必要な要素であると結論した.本実験系は,「溶解」の概念の理解の深化を促す化学実験教材として適当である.}, pages = {233--243}, title = {化学概念の理解の深化を促すマクロとミクロをつなぐ大学の化学実験教材の研究(Ⅰ):溶解熱測定によるイオンの水和構造の理解}, volume = {55}, year = {} }